緑の募金がスタートして65年が経過しました。
その間、緑の募金は、日本の森林に大きな貢献を果たしてきました。
戦争で荒廃した国土を憂い、「何とかしなければ」とういう多くの国民のみなさまの思いが、戦後間もない昭和25年(1950年)に緑の募金をスタートさせました。
先進国でも有数の森林面積率を誇り、国土の3分の2が森林という今を実現したのです。
丸善が発行する「理科年表 平成17年」から
現在の日本は、先進国で、フィンランドにつぎ、国土面積に対する森林の面積率が世界第二位の国です。しかし、その森林の約40%は人が作った森林、いわゆる
人工林です。
また、里山と呼ばれる森林も人の影響を受けた森林であり、こうした一部の二次林(自然林が伐採された後または焼失した後に自然に生えてきた樹林)も含めると、人の手が介在した森林は相当数あると言えます。こうした、人が介在した森林は人が管理しメンテナンスをしないと、森は荒れ、放って置くと木々は朽ちて死んだ森になってしまうのです。
人が森を管理・メンテナンスするためには、もっと森とかかわることが重要です。
人がつくった森林は、人が手をかけることが欠かせません。65年間積み重ねてきたみなさまの努力をお孫さんの世代が引き継ぎ、これまでの功績を受け継がなければなりません。
大切なのは緑の国土を守るこころです。それをお孫さんの世代に伝える責任があります。
森林環境教育
緑の募金では、次世代を担う児童や生徒、教員、地域の森林ボランティア団体などが一体となり森林体験活動に取り組み次世代の人材育成に努めています。
森林は豊かな感性や人間性を育む体験活動の場として優れ、また、自然現象や社会的・経済的な学習も可能です。
文部科学省が推奨する※「ESD」持続可能な社会づくりの担い手を育成する場としても森林は注目されています。
※「ESD」:Education for Sustainable Development
国際森林デーは、2012年12月の国連総会で決議されました。世界で森林や樹木に対する意識を高めるこの記念日に東京都の海の森で国際交流と海の森植樹を開催いたしました。
一般市民のほか、駐日外国大使館、国際機関職員とその家族、留学生等、多くの方々にご参加いただきました。
当日、ご参加頂いた方々にアンケートを行い、「本日のイベントを楽しんでいただけましたか?」の質問に対し、「楽しかった」「まあ楽しかった」とお答えになった方は約90%でした。来年も参加したいですかの質問には約80%の方が参加したいとお答いただき、好評価でした。
森や海、川と共に生きてきた伝統的な暮らしをもう一度見つめ直し、未来につなごうと始まった「聞き書き甲子園」の高校生・大学生のグループと、どんぐりから苗を育てる取り組みを行う「森の教室どんぐりと森の仲間プロジェクト」の幼稚園児がともに海の森で植樹を行いました。高校生・大学生のお兄さん、お姉さんと園児たちが楽しく植樹をすることで、思い出と記憶に残る一日となりました。
津波によって多くのものを失った東北の被災地。そこには、美しい緑の風景もありました。 そして一瞬にしてその風景は失われました。
緑の募金は被災地の海岸防砂林づくりを支援し、100年先、200年先の安全・安心に向けた活動を進めています。
是非、地元の方々が愛した風景を復活させるために、みなさまの力を貸してください。
緑の募金では使途限定募金(東日本大震災復興事業)を立ち上げ、
被災地の緑化活動を中心とした募金を行っています。
砂漠化や災害などで失われた世界各地域で、森林ボランティアを派遣したり、植林支援を行っています。
環境悪化が進む21ヶ国の地域に私達の仲間が今も頑張っています。
インドネシア・東ジャワ州の最貧地域であるマドゥラ島では、島の多くを平坦な地形が占め、緑化が進んでいないこと等により、乾季には深刻な水不足、雨季には土地に保水力が無いため大洪水になるなど自然災害が多発しています。
そこで、コミュニティの中心であり次世代育成の場である学校及び周辺地域において、植林活動及び環境教育、雨水タンクの設置等を行い、森林と水保全に関する知識と行動を広め、同島の根本的な環境改善と持続可能な地域づくりを目指しています。(実施協力団体:オイスカ)