筑波山麓・霞ヶ浦水源の森づくり

事業分野「森林の整備」 国内の森を元気にする

(特)つくば環境フォーラム
〒305-0022 茨城県つくば市吉瀬1876-1つくば文化郷別館203号

団体の概要

「自然と人との共存」をテーマに、筑波山・茨城県南の里山において、豊かな自然を次世代の子どもたちに伝えることを目的に、平成13年に設立した。自然環境の保全活動を推進する「実践」、自然体験プログラムの実施やボランティア養成等の環境教育を通して保全活動・教育活動を担う人材を育てる「育成」、地域の自然を守り育てる人の輪を広げる「連携」を活動の三本柱として、筑波山麓の谷津田再生、平地林におけるオオムラサキの棲む里山づくりなど、地域の自然を豊かにする活動を展開中。

募金事業の概要

霞ヶ浦の水源のひとつである筑波山麓では、耕作放棄地が広がり、篠竹やヨシ、セイタカアワダチソウなどが繁茂している。周囲の里山も荒れており、篠竹が生い茂り、そこをねぐらとするイノシシが周辺の田畑を荒らし、深刻な獣害が拡大している。

つくば市神郡(かんごおり)地区の耕作放棄畑、桑畑跡地を整備し、クヌギ・コナラ・エノキ等を植樹して新たな雑木林の成林をめざし、また、周辺の荒れた里山を整備することで水源涵養の増大、生物多様性の回復ならびに周辺農地に拡大しているイノシシ獣害の低減をめざしてこの事業を行なった。
筑波山麓の里山の現状を理解し、森づくりのボランティア活動に参加する人を増やすことを目的に、3回の「森づくり実践セミナー」を茨城県県南総合事務所林務課の協力を得て実施した。

第1回は、雑木林の更新を図るために、大きくなりすぎたクヌギやコナラを伐採した。かつては薪炭林として使われてきた筑波山麓の雑木林も、経済価値を失って以来、長年放置されてきた。伐採し萌芽更新を図ることで、林を若返らせ、生物多様性の増大、健全な雑木林の再生をめざす。安全な伐採方法、伐採後の枝払い、玉切りの仕方、小枝(そだ)の束ね方等を実際の作業を通して学んだ。太い幹は玉切りして薪に、直径10㎝前後の枝はシイタケのホダ木用に集積した。

参加者みんなで枝払いの実習

第1回は、雑木林の更新を図るために、大きくなりすぎたクヌギやコナラを伐採した。かつては薪炭林として使われてきた筑波山麓の雑木林も、経済価値を失って以来、長年放置されてきた。伐採し萌芽更新を図ることで、林を若返らせ、生物多様性の増大、健全な雑木林の再生をめざす。安全な伐採方法、伐採後の枝払い、玉切りの仕方、小枝(そだ)の束ね方等を実際の作業を通して学んだ。太い幹は玉切りして薪に、直径10㎝前後の枝はシイタケのホダ木用に集積した。

倒す方向を見極めて、
ロープで補助

第2回は、ヒノキ林の健全な育成をめざし、ヒノキ林に拡大した竹の伐採とヒノキの間伐を行なった。切り出した竹は地元の養鶏場の屋根材に提供し、間伐した材はイノシシ防除の柵に利用するよう玉切りして運び出した。

第3回は、手入れ活動で出た材を活用するためのキノコ植菌実習と活用のアイデアを出すワークショップを行った。里山の森林の手入れ活動では、手入れによって出た材の処分が問題となる。継続的な林の維持管理のために、手入れ活動で出た材の有効活用のアイデアを出し合い、各自の興味に応じてグループ分けした後、グループディスカッションによって今後の取り組み方法を検討した。ドラム缶窯をつくっての炭焼きなど具体的な活動プランもできた。

また、3月にセミナーに参加した人々に加え、次世代の環境を担う子どもたちの参加も得て、耕作放棄地において植樹祭を開催し、7月には植樹地の草刈りと自然観察会を実施した。人による里山の手入れが豊かな水を育み、生物多様性保全にも寄与することを、体験を通して学習する機会とした。

筑波山をバックに草刈り
子どもたちと生きもの観察

参加者・地域の人の声

玉切りされた丸太を前に集合写真
  • 自然と密着して、様々な自然との交流ができ、改めて人間の役割を実感することができました。
  • つくばの自然環境(ごく一部)が、少しわかって良かった。環境保全がなかなか大変なこともよくわかった。
  • 木を伐った場所を見回してみたら、すっきりして景観が変わっていたので、びっくりしました。
  • 田舎での経験がないので、これからも楽しみにしています。
  • 未経験の作業を体験でき、楽しかった。
  • 毎回内容の違う催しで非常に価値があり楽しかったです。
  • 薪づくりは意外とはまって楽しかった。

今後の取り組み

筑波山麓の里山の森林はどこも大変荒れている。今回活動を行った場所はすっきりときれいになり、地元の方々にも喜んでいただけた。今回の参加者の継続参加意欲も高いので、今後もこの地域の林を継続的に整備していきたい。筑波山麓の森林が、茨城県南地域一体の水道水を供給する霞ヶ浦にとって水源の森であることをアピールし、

  1. 人と生きものの共存。
  2. 里山の持続と活用。
  3. 緑のネットワークづくり。

里山の魅力を分かち合う仲間づくりをめざして、筑波山麓森づくり活動への参加を広範囲に呼びかけていく。
また、活動を進めるに際して問題となる駐車場所、トイレの改善を図り、都市部の人々が活動に楽しく参加できるよう休憩場所などの拠点整備も進めていきたい。

実績報告とりまとめ表

実施時期 18年
12月9日
19年
1月13日
19年
2月11日
19年
3月17日
19年
7月28日
備考
作業内容 植付面積 0.2ha 0.2ha 樹種:コナラ、クヌギ、エノキ
雑木林の伐採
ヒノキの間伐
植付本数 200本 200本
下刈面積 0.5ha 0.4ha 0.9ha
除伐面積 0.1ha 0.1ha
間伐面積 0.6ha 0.6ha
参加者数 県内 36人 56人 45人 42人 45人 224人
県外 2人 4人 1人 1人 1人 9人
38人 60人 46人 43人 46人 233人
実施場所 茨城県つくば市神郡
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